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2012.04.19

8/

もうすぐオープンする渋谷ヒカリエ。その8階にできる「8/」と呼ばれるスペースが気になっている。ナガオカケンメイや小山登美夫など錚々たるメンバーが揃っていて、しかしその割に説明が曖昧。「カフェです」「ギャラリーです」「ワークスペースです」といった感じで挙げていけば内容は理解できそうなのに、敢えてそれを言わず、むしろ避けているようにすら見える。

従来D&DEPARTMENTや小山登美夫ギャラリーといったカウンターカルチャーは郊外だったり、普通誰も目をつけないような地域の古テナントに拠点を構えていたりするものだ。しかし渋谷駅は1日に200万人が利用する日本第4位、世界でも第5位の顧客規模を誇る駅で、それに直結された新築ビルの8階というロケーションはいうまでもなく一等地。

近年の渋谷は文化的に衰退していると言われている。駅を降りれば見えるのはマクドナルド、スターバックス、H&M、ユニクロ、ビックカメラ、ブックオフ…全国展開する大手チェーンストアがものすごい密度で収まっていて、しかしそれらは渋谷でなくても手に入るものばかりなのだ。逆に渋谷が文化的に優れていた時代(渋谷系とか)というのも僕は生で体感してないので、結局僕にとっての渋谷は「多いけど何もない」街の代表という認識に留まっている。

渋谷ヒカリエは典型的な再開発型の高層ビルで、事業主である東急電鉄が主宰する今回のスペースはどちらかというとグランドレベルでなく”神の目線”からのプロジェクト。いったいそれが地域にどんな影響をもたらすのだろうか。自分も毎日渋谷駅を使って通勤しているので、オープンしたら一度行ってみたい。