新海誠「君の名は。」を観に行きました

ひさびさに映画を観に行きました。新海誠の作品は「秒速5センチメートル」以来2作品目で、映画館で鑑賞したのは初めて。

内省的な映画を作る傾向のある監督が、男女の心が入れ替わるという極めて古典的かつ妄想的なストーリーを描くというのは最初とても魅力的には思えず、綺麗と評判の風景描写も究極的にはただの写生とも言えて、それだけで2時間近くもある映画を持たせるのは難しいだろうと予想していました。

そういうことで大して期待もせず予告編も見ないまま劇場に向かった僕は、結果的に震えるほど映画に没頭することに。上に挙げたようなネガティブな印象は全て打ち砕かれて、連日満席で話題になることも十分納得できるエンターテイメント作品でした。むしろ僕みたいな「うがった」人間が何も予備知識を付けずに足を運んだ方が楽しめるかもしれません。

ストーリーの構造は単純ですが編集がとてもよいことが観客の意識を画面に引き込んでいて、最高峰のスタッフを集めたことで作画や動画のクオリティが飛躍的に上がっているため映像としての見応えが抜群。また、劇中に登場する人々の行動がとても自然で、「こういう場面に遭遇したとき、人間なら普通はこう行動するだろう」という人間の感情に対してとても素直な点も見逃せません。それがこの映画を内省的でなく多くの人々が共感できる明るい作品に仕立てているからです。

そういった明るさだけでなく恐怖の描き方も新海誠ならではの切れ味で、宮﨑駿には絶対描けない映画、という意味で日本のアニメーションの新世代の幕開けを感じさせるものでした。今後の作品も楽しみです。

→ 映画『君の名は。』公式サイト

2016.09.11
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