2012.04.02
Leica M6を購入。
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いくら写真が好きでも、さすがに手は出さないだろうと思っていたカメラを買ってしまった。Leica M6。BESSA R3Aでレンジファインダーデビューしてからわずか2ヶ月でのM型ライカ。ほとんど病気に近い。
購入した機体は1986年製、ERNST LEITZの刻印があるM6初期のタイプで、塗装に若干浮きがある以外はとても状態がいい。それが銀座のカメラ屋で驚くほど安く売られていて、思わず反射的に「触らせてください」と店員に申し出てしまったのが間違いだった。
そもそもライカなんて余程の写真好きでない限りまず興味は湧かないし、良いと思った点を説明してもまず共感されない。自分自身もライカを買う人の気持ちなんてとても理解できるものではなかった。
・一眼レフと違ってピント合わせが直感的でない。
・ファインダーの仕様とレンズの画角が一致しないと正確にフレーミングできない
・M7以外のM型ライカでは絞り優先すら使えない
・しかもやたら高い
正しく撮るなら一眼レフの方が優れているし、気軽さはiPhoneが圧倒的。現に上の写真はiPhoneで撮影したデータをPhotoshopで調整している。しかしM型ライカの存在はなぜか気になっていて、気になるととことん調べ始める癖が出てきて、その内に何回かカメラ屋で触らせてもらったりもした。文字通り魅了されてしまったのだ。
・まずM6のフォルムと意匠は以前から素晴らしいと思っていた。1984年発売なので30年近くも前の設計で、こんなにもモダンで洗練されたプロダクトがあったことに驚いた。本質的にM3と同じデザインと思うと更に30年くらいルーツが遡る。
・純正レンズは骨董品のように高いけど、長い歴史を持つレンズマウントなので探せば安価で良質な他社レンズも簡単に手に入る。僕が持っているレンズの中には数千円の値段で現代に引けを取らない描写のものも。
・静粛な布膜シャッターの音。これは非常に趣味的な要素だけど、とても官能的だと思った。東京のような街中で撮っていると、シャッターを押していることに通行人が気づかない。時間を止めないのである。
・ピントがずれていても気づきにくいファインダー。一眼レフで撮っていると「正しくピントを合わせないといけない」という強迫観念に駆られることがあるけど、その点レンジファインダーはもっと自由で、持ちやすいフォルムと併せて身体の延長になり得る。
これから暖かくなって、街の色乗りもよくなる時期。個人的に1年で最も撮ることが楽しい季節。宝の持ち腐れにならないよう、恥ずかしくない写真を公開し続けていけたらと思う。