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2015.03.16

FIAT 500を購入。

生まれて初めてクルマを買いました。イタリアのFIAT 500。先代がルパン三世の映画に登場していたことで有名な車種です。それまで車に興味がなかったためにまるで知識がなく、これに決めて実際納車されるまでにディーラーさんに限らずいろいろな人に質問や相談をして情報収集しました。

購入したのは中古車でこの世代の最初期にあたる2009年生産、その中でさらに一番ベーシックで廉価な1.2Lエンジン、そして色はホワイトです。外車=高いという印象があったのですが実際に調べてみるとこの型は下手に国産の新車を買うより全然安くて、イタリア車は壊れやすいというイメージもウェブ上でレビューを読みあさる限りは当てはまっていないようです。

ATモードでの変速にかなり癖があるため基本はMTモードで乗っていること、サイドミラーの折り畳みが電動でないということが欠点といえますが、そういった機能面での充実を求めるのであれば日本車を買ってしまった方がおそらく無難でしょう。僕がFIAT 500を選んだ最大の理由は、そういった人間のある種のだらしなさに付き合うことよりも、本当に心踊る「普通のクルマ」を目指しているように感じ取れたからです。

いわゆるスポーツカーをアクセル全開で乗り回したいという欲求はありませんし、身の丈を超えたラグジュアリーなクルマにも興味はありませんでした。あくまで普通に乗れて、それでいてワクワクするようなものが欲しかったのです。必ずしもクルマが必要ない環境において、僕と同じ意見を持つ人は多いのではないでしょうか。

しかしいろいろな自動車メーカーやその製品を調べる過程で、国内/海外を問わずそれにフィットするプロダクトは相当に少ない印象を受けました。いまだにモノづくりが、「人間はモノを欲しがる」という前提の上で組み立てられているように思えたのです。これは想像ですが、こういった数値化の難しい課題に立ち向かって製品を作るよりも、単純にモノを欲しがっている人が多いマーケット(=新興国)を開拓する方に多くのメーカーが重点を置いているのかもしれません。

その点、FIAT 500は決して高級ではないのにとても優雅なクルマです。前後のランプにさりげなくまつ毛のような意匠が入っていてディテールまで楽しげなデザイン。お気に入りの音楽をかけながら窓を開けて、力強いとはいえない加速でゆったりと安全に走るのが似合っています。

当初あまり高い頻度で乗るつもりはなかったのですが、気がつけば日頃の通勤でもクルマの割合がかなり増えてしまいました。大事に長く乗って行きたいと思います。