2014.02.07
[レビュー] Leica Summitar 5cm f/2
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iPhone 5Sで撮影
前回に引き続き、手持ちの機材の雑感を書いてみたいと思います。ズミターもしくはズミタールと呼ばれるこのレンズは、1950年代に現在も続くシリーズであるSummicronが発表されるよりひとつ前の世代で、いわゆるオールドレンズに分類されると思います。(僕が持っているものは1948年製のようです)
その更に前の世代になるSummarに比べてコーティング強度の問題もなく、Summicronに比べて人気が低いこのレンズは状態のいいものが意外と安価に流通しています。M型ライカを手にしてからいきなり高価なものに手を出すのを躊躇した僕が最初に手に入れたライカレンズでもあります。
沈胴した状態はかなりコンパクトで、これを取り付けたカメラを鞄の隙間に入れることは難しくありません。ただしM型ライカ+Summitarで重さが800gほどになるので、見た目以上に重量感があります。
また、SummitarはスクリュータイプのLマウントレンズですので、Mマウントのカメラで使うためにはL/Mリングを併せて購入する必要があります。
PARIS / Leica M4 + Summitar 5cm f/2 + Kodak ULTRAMAX 400
ライカの定番レンズであるElmarでなくSummitarを選んだ理由は、何よりその開放F値に尽きます。ISO400以下のフィルムを入れた状態では夜の街中や暗い室内を撮るときなど、F3.5では厳しいパターンがかなりあります。かといってISO800だと昼間にカメラ側のシャッタースピード最高速1/1000秒では絞りが全く開けず…そうなるとレンズは明るいに越したことがないですね。
絞りを開いた写りはまさにオールドレンズという質感ですが、シャープネスは意外に高い印象です。F5.6〜8あたりまで絞ると驚くほど鮮明な線が出てきます。現代のレンズと比べると発色は大人しく、設計された年代的にモノクロでの撮影を前提にしているかもしれません。トーンはかなり豊富に出る印象です。こういったオールドレンズ独特の眠さを求めている方には価格を含めておすすめできると思います。
CHICAGO / Leica M4 + Summitar 5cm f/2 + Kodak ULTRAMAX 400
決して「写らないレンズ」ではなくコントロールは可能。しかし個人的にもう少し抜けた描写で扱い易いほうがよくて、Summicronの50mmを買ってからはあまり使う機会がなくなってしまいました(最短撮影距離1メートルというスペックも意外とネックでした)。これ以後「SummicronからAspherical以前まで」が僕の使い方にもっともフィットするライカレンズなのでは、という年代基準ができています。
NEW YORK / Leica M4 + Summitar 5cm f/2 + Kodak ULTRAMAX 400