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2014.02.03

[レビュー] Leica Summicron 35mm/f2 (2nd)


Leica M4に取り付けたところ。iPhone 5Sで撮影。

購入してから約1年が経過したズミクロンの35mm。このレンズは以前使っていたVoigtländerのCOLOR-SKOPAR 35mmと明らかに違う描写で当初から驚いていたのですが、そこからいろいろと試行錯誤しているうちにレンズの特性がようやく掴めるようになってきました。自分用のメモも兼ねて雑感を書いてみたいと思います。

ちなみに僕が持っているものは1970年製の6枚玉(第2世代)モデルの初期型、いわゆる「ツノ付き」と呼ばれているタイプ。重量が増してしまう非球面レンズ世代より以前のモデルならば何でもよいという、ざっくりした希望で探していたところ比較的安価に見つけたものです。サイズが非常にコンパクトですがこの絞り環のツノとピントリングの指掛けのおかげで操作性はかなりよいと思います。

前述したCOLOR-SKOPAR 35mmとはサイズ感と焦点距離が同じだけで、かなり別物な写りをするレンズです。COLOR-SKOPARは絞り開放から普通に使えるマジメな写りである一方、期待以上の描写というのはあまりなかったと感じています。それに対してこのズミクロンは開放ではかなり描写が緩く、少しでもピントがずれるとすごい画面に。F5.6もしくは8以上に絞ればかなり優等生になりますが、それを求めるなら他のレンズでもよいでしょう。僕はF2.8〜4、もしくは5.6までを多用しています。


PARIS / Leica M4 + Summicron 35mm/f2 (2nd) + Kodak ULTRAMAX 400

シャープさだけでいえば現代のレンズにかないませんが、このレンズが持つ立体感とボケはなかなか特異でおもしろいと思います。特に自然光で撮る人物写真は今までのどのレンズでも出なかった質感で、寄る/引くの選択が柔軟に取れる35mmという画角、またレンズの小ささからくる威圧感の無さという意味でもポートレートにはかなり向いているのではないでしょうか。
ボケはCarl Zeissのような透明感のあるものでなく、まさにLeicaらしく少しもったりとした、しかし受け手を画面に引きつけてしまう不思議な魅力があります。


TOKYO / Leica M6 + Summicron 35mm/f2 (2nd) + Kodak ULTRAMAX 400

このレンズを万人におすすめできない唯一の理由がその値段。最近のデジタルカメラにもライカのレンズが取り付けられること、また35mmでF2というスペックが使いやすいためか2014年現在、中古価格が20万円を超えるのが当たり前になってしまっています。僕は幸いにもずっと安い値段で状態のよい物を見つけられたため購入しましたが、さすがにその値段では買いません。ハッセルブラッドを一式揃えてもお釣りが出るようなプライシングだからです。
しかしこのレンズでしか無い描写や使い勝手というものは確かに存在していて、無理をしなくてよい程度の価格で売られているのを発見したら、購入を検討してもよいのではないでしょうか。


HONG KONG / Leica M6 + Summicron 35mm/f2 (2nd) + Kodak ULTRAMAX 400

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