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2020.09.16

マバタキの遠足 Vol.2

新型コロナウイルスの影響でしばらく見送っていたマバタキの遠足を、ひさびさに決行しました。今回はなるべく人の少ない日を狙うため祝日でなく平日に。まずはYouTubeチャンネルを見てずっと気になっていた青山のイタリアン「リストランテ アクアパッツァ」へ。

左はお魚のカルパッチョ、右は骨切りした鱧のフリット。せっかくの機会なのでお手軽なメニューでなくちょっといいランチコースにしました。

コロナの影響で自宅で料理をする頻度も増えて、自然と見るようになったYouTubeの料理チャンネル。これが飲食店の新たな生き残り策になっているようで、チャンネルを開設したオーナーシェフが新たなファンを獲得する事例が増えているようです。人柄や仕事の丁寧さなど動画ならではの情報量があるので、特に高級店は食べログのようなプラットフォームで戦うよりよいのかもしれません。

店名にもなっているアクアパッツァは店員さんがそれぞれのお皿に取り分けてくれます。白ワインを使わずに水だけで煮出したスープはとても濃厚。しかし一貫して料理の塩味が優しいので、老若男女が安心して食べられる内容だと思います。日高シェフのサービスで一緒に写真も撮って頂きました。YouTubeチャンネルが気になる方は以下をどうぞ。

→ 日高良実のACQUAPAZZAチャンネル

ランチを満喫してから上野公園までやってきました。駅から公園までのアプローチが絶賛工事中。

国立博物館の中にある法隆寺宝物館。谷口吉生設計の緊張感を持った「静」の建築の中には、展示内容のほぼ全てが国宝もしくは重要文化財というまさしくお宝の保存装置。

特に暗闇の中で大量の銅製の菩薩像が並ぶ展示室は圧巻で、ずっと見ていられるモノ的な魅力があります。至近距離で見られる緻密で美しい像たちが作られたのは約1300年前の飛鳥時代。古代からある宗教に関する美術品は「死」への対峙を感じさせることが多いですが、これらの菩薩像には1300年前の造り手の「生」への執着も記録されているように見えて、それが豊かな造形につながっているようにも思えるのです。

常設展しかないため話題になりにくい施設ではありますが、東京の美術館の中でもかなりお気に入りの場所。建築も美しく、まだ行かれていない方にはぜひおすすめです。

法隆寺宝物館を出た後は近場のカヤバ珈琲へ。永山祐子がリノベーションを手掛けたことで有名ですね。休日は大行列のこのお店も、平日なら普通に4人で入れました。

アイスコーヒーは酸味があって飲みやすい豆で、昔ながらの喫茶店というよりは近年出てきたサードウェーブを思わせるようなハイクオリティ。

「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」を観るために21_21 DESIGN SIGHTへ。

21_21 DESIGN SIGHTは日本のレジェンドデザイナーに関する展覧会が多くて今回もその類ですが、今までと違う点としてその量が圧倒的。

展示室に入った瞬間に時間配分のミスが発覚。閉館の50分前に入館したのですが、展示ボリュームからするとしっかりと網羅するのに1時間半〜2時間は欲しい内容。

完成品のクリエイティブというよりは、その途中経過の展示が多数。コンピュータが普及していない時代のものが多いため、その経過はまさにアナログ。

東京を代表する名建築のひとつ(だと個人的に思っている)東京国際フォーラムの照明計画。この方法が一般的なのかはわかりませんが、こちらでは色温度別にマッピングされています。

「デザインの素」として展示されているデザイナー個人の収集物。

壁3面を使った映像は時間があればもっと見ていたかった。

原研哉による東京オリンピックのシンボルマーク案。個人的には佐野研二郎案も1964ロゴの一体性/ナショナリズム→分散/多様性へというつながりを感じさせるという意味で好きだったけれども、日本人のマジョリティではどうしても黒色が縁起が悪いと感じる国民性があって、そういう意味ではこの案が採択されていたらすんなりと受け入れられていた可能性もあるかもしれません。

最後がかなり駆け足になってしまいましたが今回のマバタキの遠足も無事終了。コロナの状況を見つつ次もまた実施したいと思います。