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2018.05.15

SEASON

 

3年ぶりに「森、道、市場」という野外フェスに行ってきました。前回より明らかにお客さんの数が増えていて、ステージのみならず露店も大盛況。僕の生まれ故郷である愛知県に、こんなに全国から人が集まる良質なイベントがあることが嬉しく思いました。

今回もよいライブがたくさんありましたが中でも感慨深かったのが、最終日にものすごい大雨の中で見たPolarisです。僕にとっては学生時代からずっと聴いてきたバンドなだけに、3年前の森道市場ではじめてライブで見た時は青春時代のシーンを掘り返されて思わず涙目に。今回はそれほどは感動しないかと思っていたのですが、最後に演奏された曲がまさかのFISHMANSの「SEASON」―――。

FISHMANSといえばそれこそ学生時代に何度聴いたかわからない個人的に思い入れの深いバンドで、90年代にボーカルの逝去により活動休止となったため、その存在を2000年代に知った僕はもうその音楽を生で聴くことは不可能だと考えていました。しかし詳しい方はご存知かもしれませんが、このバンドFISHMANSのベース柏原譲は、Polarisのベース担当でもあります。オリジナルに忠実に演奏されたPolarisの「SEASON」は、目をつぶって聴くともうかつてのFISHMANSそのもの。これには本当に震えました。

日航ジャンボ機墜落事故によって他界した坂本九が最後に遺した曲「心の瞳」は、存命中一度しか公の前で披露されることがありませんでしたが、その後全国の中学校の合唱コンクールで歌われ続け、今も数多くの思春期のワンシーンを刻む曲として存在しています。
僕がよく夜に車の中で聴く「Ordinary Joe」という曲はオリジナルをリリースしたTerry Callierも、それをサンプリングして新たな曲に仕立てたNujabesもすでにこの世にいませんが、彼らの曲はいつだって今日も生きているかのように、手元のiPhoneから再生することができます。

あえて格好良く言うと、名曲は時空を超えて今を生きる人々に届き続ける。ほとんどのモノがあっという間に忘れ去られていく世の中において、それを生み出した人間よりも永く生きるなんて、ものすごいことなのではないかと僕は思うのです。

せっかく何かを作ることで存在している僕としては、いつかそうやって人の心に残り続けるものを作ってみたいという思いがあります。これは僕が持っているささやかな「夢」と言えるのかもしれません。

→ Polaris Official Website