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2014.08.25

27歳のウェブデザイナーが地方に1週間ほど滞在してみた雑感。

福井県の鯖江市に1週間ほど滞在しました。ものづくりユニット「TSUGI」のスペースを間借りして、東京から持ち込んだ機材を設置。今はradikoなどのサービスでどこにいてもTOKYO FMを聴くことができて、これを普段BGMにしている僕は意外なほどいつもと変わらないペースで作業ができました。

今回は普段の案件を進めていただけなので一時的なサテライトオフィスという域を超えていませんが、それでもコンパクトでコミュニティも小さい鯖江市河和田地区では最近移住者によるプロジェクトが活発で、人口100万人以上の街にしか住んだことのない僕に新しい視点を与えるのに十分な環境だったと思います。

もともと都市に興味がある僕は「ご飯がおいしい」「自然が豊か」くらいの売りで特定の地方に移住することはあり得ません。なぜなら日本のほとんどの場所は同じように自然豊かで、ご飯もおいしいからです。
現在は個人的に都心に拠点があるメリットが大きいため僕は渋谷のシェアオフィスを借りていますが、この状況をアップデートするために地方へ移住する未来はあり得るのでしょうか?

しかし地方の魅力というのは決して理詰めで納得できるものばかりではなく、結局は受け手自身の生き方と照らし合わせて、感覚的にジャッジされる部分も多いのかもしれません。これを情報として正しく具体的に伝播させるという仕事はきっと、デザイナーにとって有意義な仕事になり得るでしょう。デザイナーとはそういった曖昧さを取り入れ解釈し、具体的な色や形に落としていく作業に長けている職能のはずだからです。

インターネット初期の頃に盛んに言われた「これからは地方の時代」という意見は結局ほとんど嘘に近いものでしたが、最近はその頃と違う形で注目すべきポイントが出てきていると思います。これは感覚的意見ですが、あと5年程度経てばもっと目に見えた成果を出す地域が現れてくるのではないでしょうか。