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2013.07.14

Rolleiflex T

渋谷で開催されていた世界のカメラ市で購入したRolleiflex。1958年に発売されたT型と呼ばれるもので、プラナーやクセノターレンズを採用している上位機種と、廉価版のRolleicordの間の製品らしい。今どきF3.5という明るさのレンズは使いやすいとは言えないけれど、とにかく中判カメラに対する知識がなかったので、まずは使ってみるというレベルの感覚で買える価格のものにした。

真四角のフォーマットの写真というのは今であればInstagramがあるのでそれほど珍しいものでもないし、3:2や4:3の比率に比べると収まりがいいのでバランスの取れた写真になりやすい。また35mm判のような小フォーマットに比べて必然的にレンズの焦点距離が上がるので、圧縮効果とボケでより印象的に写りやすいというところまではわかっていたのだけれど、実際にローライフレックスを手にしてみると、カメラというインターフェイスがいかに撮影者や写真に影響するのかというのをより鮮やかに理解することになった。

ひとつのフィルムで12枚撮りだったり、触りづらい露出設定やファインダーが左右逆像になるこのカメラは想像以上に扱いにくい。被写界深度も浅いので、さっと取り出してインスピレーションでシャッターを押すというようなことはまず無理だろう。ファインダー越しに被写体とゆったり対峙しながら撮るカメラである。もしくはピントを合わせることを諦めてしまえばかなり楽になれるかもしれない。

恐らく僕が一番使うカメラはこの先もライカであり続けられるのだろうけど、それと違った風を送り込んでくれる機材であることも間違いない。上から覗くファインダーに立ち上がる像の美しさはもっと写真を撮りたいと思わせてくれるし、結果としての写真も湿度を感じる魅力的な写りになっている。

まだ100枚も撮っていないような状態ですが、もっと使いこなせるようになって、ローライで撮影した写真もいつか何らかの形で公開できればと思います。