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2011.10.31

ウォルター・アイザックソン著「スティーブ・ジョブズ」

スティーブ・ジョブズの自伝を買った。大きな書店であればきっと置いてあるだろうと予想して丸の内の丸善ジュンク堂に寄ってみたら、その通りというか入り口付近にこれでもかと山積みになっていた。普段僕は入り口に山積みになっている類の本はまず買うことがないのだけれども、作り手目線から見て彼の魅力は否定のしようがないのできっとこの自伝も面白いだろう、と珍しく楽観的に判断してレジに持っていった。

現時点で発売されているのは前編のみで、彼が生まれてから30歳あたりまで、具体的にはアップルを追放された後ピクサーで「トイ・ストーリー」の制作に関わり大成功を収めるまでが記録されている。ページ数は実に445ページ。これが2,000円近くすることが許せないという人は本屋の入り口に平積みされている他の同価格帯の本を読んでみるとよいだろう。僕は普段あまり活字の本を読まないので、むしろ途中で退屈になってしまったほどのボリュームだ。

この本を読んで何かを得たか?と問われると難しい。きっと彼は頭がよかったに違いないけれども、それをも上回る強烈な我侭さ、若さ…つまり阿呆というのか、文中の描写からそのシーンを呼び起こして、もし僕がその頃のアップルに勤めていたとしたらと想像してみると…こんな人間が仕切っている会社なんて恐らく1年も経たずに辞めてしまうだろう。

よくあるビジネス書みたいに「とにかくこうすれば上手くいく」という要素はそもそもこの本に求めるべきではないけれど、それにしても本書で描かれている様々な彼の行いを、読み手はひとつでも真似して実践してみるべきだろうか…?それで自分を取り巻く状況がいい方向に切り替わるだなんて僕は少しも思えない。そうするくらいなら周りが見えなくなるくらいに熱中できる何かを自身で見つけたほうがよいだろう。

本当に実現したいイメージのためならば人間このくらいは壊れてもよい、という基準を与えてくれるという意味で受け取ると読む価値があった本かもしれない。

後編が発売されたらどうせ買ってしまうのだろうなあ。