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2011.05.09

Planar T* 50mmとウィリアム・エグルストンとの出会いについて

William Eggleston / Kyoto

一眼レフ用に新しいレンズを買った。Carl Zeissという老舗ブランドから発売されているニコンマウントの50mm単焦点で、写真が好きでなければまず手を出さない(そもそも存在すら知らないだろう)レンズである。
僕は以前からずっと写真が好きで撮り続けているのだけれども、最近まで専ら20mmとか28mmとか、広角レンズによるスナップが中心で、50mmが「標準レンズ」と言われていることをいまいち飲み込めないでいた。だからこの画角のレンズを購入したのは、今回が初めてだ。

そもそも眼中になかった50mmを買うようになったきっかけは、2010年に開催された「ウィリアム エグルストン: パリ-京都」展を原美術館まで見に行ったことだった。
展示されていたのはまるでセンスの良いドローイングのように、魅力的に切り取られた街の”部分”たち。その自由さ、鮮やかさ、完成度の高さに、広角レンズ的な写真に若干飽きていた当時の僕はとても衝撃を受けたのであった。

空間の中でのオブジェクトの配置の面白さを追求する類の写真はずっと好きだし、よくある「企画モノ」も見ていて楽しい。しかしエグルストンの写真に初めて触れたとき、それらとは全く異質で新しいフロンティアを見出したような気がして、とても嬉しい気持ちになったのだ。
(”パリ-京都”以前の彼の作風にはあまり興味を持てなかったのだけれども)

魅力的な”場”を探すのか、それとも魅力的な”部分”を切り取るのか。同じフォーマットの中に全く違う方向性が同居していて、しかもそれぞれ広大という言語としての奥深さを感じて、僕は余計に写真に没頭し始めるのであった…。
 
 
「ウィリアム エグルストン: パリ-京都」開幕 | エキサイトイズム