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2011.04.05

SOMEWHERE / Sofia Coppola 観てきました。

そもそも僕はほとんど映画館に行かない。公開後間もない平日に新宿ピカデリーまで足を運んで鑑賞した映画なんて、今作が初めてだ。

その映画がなぜ「SOMEWHERE」なのかというと、同じくソフィア・コッポラが監督した「Lost in Translation」が非常に好きで、それも僕が今まで観た中で、最も好きな映画だと言えるくらいだからだ。
それを劇場では観ていなかったという後悔から、今回の新作の存在を知ったときは思わず”前のめり”してしまったのである。

以下レビューでネタバレ注意。

まず今回の主人公ジョニー・マルコはかなり感覚が狂っている。離婚してからずっとホテル暮らしを続け、フェラーリを乗り回し、毎日ロクでもない遊びを続けている。一度は家庭を持った独身なのに、パスタを正しい時間と分量で茹でることすらできない。

そんな男が別居している娘とたまに会っては遊んでいるうちに、ずいぶんまともになっていく。というのが大筋のお話。とてもシンプル。

「Lost in Translation」でも映画俳優が主人公なんだけど、ボブ・ハリスの方が断然大人で真っ当だ。それに比べると「SOMEWHERE」に登場する親子の環境や境遇は少し浮世離れしているので、共感はしずらい。しかもエンディングも含め、結局何も問題が解決されていない。

独特のもったりした構図、カット割り、静寂さはさながら日本映画のようで、鑑賞し終わった後はしばらく無言になるかもしれないけれど、それは決して悪い後味という意味ではない。
しかしあの”未知で強烈な夜の灯りに包まれる2人”というシーンほど、印象的な部分は残念ながら今作にはなかったように思う。だから僕が一番好きな映画は、今も変わらず「Lost in Translation」のままだ。

ただ、一番でなくとも「SOMEWHERE」は良い映画でした。ゆったりと劇場の椅子に腰掛けて、コーヒーかビールでも飲みながら1人でリラックスして観るのがいいと思います。贅沢な時間とはまさにこのこと。

S O M E W H E R E